
~音量はデシベルで計る~
VTS-384の出力ワット数は4Wと数値的にはあまり大きいとはいえません。ではなぜこんなにワット数が低いのでしょうか。
1Wが2Wになっても2Wが4Wになっても、人間が感じる音量の変化量としては3dBでしかなく、3dBの変化量というものは実際人間が耳で感じる分には大した変化量ではないのです。ワット数が倍になったからといって音の大きさが倍になるわけではありません。
ワット数が大きければ大きい程よい音が出る!?
オーディオの世界においては必ずしもそうではありません。その理由は…
ICアンプと真空管のワット数の感じ方について、一番大きな違いは「歪み方」の違いです。ICアンプの場合、NF(※ネガティブフィードバック)は殆どかかっていませんので、クリップした場合は音にならないほど激しく歪んでしまいます(耳につく「嫌なノイズ」です)。俗にこれをハードクリップ(図2)といいます。
しかし真空管の場合は、歪んだとしても丸くなだらかに歪んでいくので(図3)耳につくノイズにならず聴きやすく、その結果としてICアンプのおよそ倍程度の出力をかけることが出来ます。(倍以上のパワーをかけてもなお歪んでいるとは感じないのです)

※ネガティブフィードバック…出力信号の一部を逆相にして入力へ戻す事により、打ち消しあいノイズの低減を図ったもの。NC(ノイズキャンセリング)ヘッドフォンと考え方は同じです。
クオリティーパワー
クオリティーパワーという表現があります。それは単に数量的なパワースケールの誇示ではなく、そのすべてを音楽の躍動感へ結実させるという考え方です。日本の「お部屋事情とワット数」の関係を、「道路と排気量」の関係で考えてみます。アンプを「車(エンジン)」に、部屋を「道路」に例えて話をすると…
✽フェラーリをワット数の大きい100WのICアンプだとします。
✽小回りの効く軽自動車を5Wの真空管アンプだとします。
✽道路をリスニングルームに例え高速道路を大きな100畳の部屋、狭い路地を10畳程度のごく一般的な部屋とします。
オーストラリアにあるような、どこまでも直線の続く広い道路であればフェラーリを乗りこなすことができるかもしれません。しかし一般的に考えて100畳の部屋で音楽を大音量で聴けるユーザーは限られています。(※VTS-384は10畳から20畳程度の部屋で最適に聴けるように想定して設計されています)
日本の狭い路地からの車庫入れを、フェラーリと軽自動車でやることを想像してみます。それでもフェラーリが断然良いという人もいるでしょうが、エンジンの立場からモノを考えると、どちらが効率的に車を車庫に納められるでしょうか。フェラーリは、よりスピードの出せる広い道路で本領を発揮すると思います。軽自動車は高速道路ではフェラーリにかないませんが、狭い路地などでは、小回りの効く軽自動車の方が断然速いことは容易に想像できます。エンジンの力を出し切った時に、本来ユーザーの求める最適の結果が同時に得られるというのが「クオリティーパワー」という考えです。
本製品VTS-384では「クオリティーパワー」という考えに基づき音質を追求し、最高の状態でお客様へご提供できるような設計を随所に盛り込みました。音の一粒一粒がはっきりとリアルにお部屋全体を包み込み、臨場感ある音響空間を作り出します。
音の深み、臨場感、迫力、その出力された音からは信じがたいかもしれませんが、本製品の搭載しているアンプはたった数ワットしかありません。ただ搭載しているスピーカーは、本製品のために一から開発をした「極限まで能率を高めたハイスピード・ドライバー」を積んでいます。少しのパワーを入れただけで瞬時に反応し、どんな繊細な音も忠実に再現することが可能です。
あなたのiPodでお気に入りの一曲を聴いてみてください。もしかしたら、いままでと違った聴こえ方がするかもしれません。きっと新たな発見と感動をしていただけると思います。基本的なことですが、ただ純粋に音楽を楽しむ、その理想形をVTS-384が実現します。